【日本のクリプト業界】参入時期ごとのユーザー層を示す呼び名一覧

日本のクリプト(暗号資産)業界には、参入した時期によってユーザー層を分類する独特の呼び名が存在します。これらの呼び名は、当時の市場環境やブームを反映しており、日本のクリプトコミュニティで広く使われています。

ここでは、黎明期から最新のトレンドまで、各世代の特徴と背景を詳しく解説します。業界の歴史を振り返ることで、今後の市場の動きを予測するヒントにもなるでしょう。

黎明期世代(2010年〜2014年)

仮想通貨がまだほとんど認知されていなかった時期に参入した、いわゆる「パイオニア」的な存在です。ビットコインの概念に共感した技術者やリバタリアン思想を持つ人々が中心でした。

当時のビットコイン価格は数百円〜数万円程度で、マイニングも個人のPCで十分可能でした。Mt.Gox(マウントゴックス)が主要な取引所として利用されており、2014年の破綻事件はこの世代に大きな衝撃を与えました。この時期に参入した人の中には、ビットコインの急騰により「億り人」となった人も少なくありません。

バブル世代(2017年初頭〜2017年末)

2017年は仮想通貨市場が空前の盛り上がりを見せた年です。ビットコインの価格は年初の約10万円から、12月には一時200万円を超えるまで急騰しました。この時期に参入した層を「バブル世代」と呼びます。

ICO(Initial Coin Offering)が大流行し、多くの新規プロジェクトが資金調達を行いました。リップル(XRP)やネム(NEM)といったアルトコインも爆発的に上昇し、投資家の熱狂は頂点に達しました。しかし、2018年に入ると市場は急落し、多くの投資家が損失を被ることとなりました。

出川世代(2017年末〜2018年初頭)

バブル世代の中でも、特に2017年末から2018年初頭にかけて参入した層を指します。名前の由来は、仮想通貨取引所コインチェックのテレビCMに出演したタレント・出川哲朗氏です。

テレビCMの大量放映により、それまでクリプトに馴染みのなかった一般層が大量に参入しました。しかし、2018年1月にコインチェックのNEM流出事件が発生し、約580億円相当が不正流出。直後に仮想通貨市場全体が急落したため、この世代は参入直後に大きな損失を経験した人が多いのが特徴です。「出川組」とも呼ばれます。

DeFiブーム世代(2020年)

2020年はDeFi(分散型金融)が急速に成長した年です。Uniswap、Compound、Aaveなどのプロトコルが注目を集め、流動性マイニングやイールドファーミングといった新しい投資手法が登場しました。

この時期に参入した層は、テクノロジーへの理解が比較的高く、自らウォレットを管理してDeFiプロトコルを操作する「オンチェーンユーザー」が多いのが特徴です。ガス代(手数料)の高騰も経験しており、レイヤー2やサイドチェーンの重要性を早くから認識していた世代でもあります。

NFTブーム世代(2021年)

2021年はNFT(非代替性トークン)が社会現象となった年です。Beepleのデジタルアートが約75億円で落札されたことが世界的なニュースとなり、アーティスト、コレクター、投資家が一気にNFT市場に参入しました。

日本でもCryptoNinja、BAYC(Bored Ape Yacht Club)などのNFTコレクションが人気を博し、クリエイターエコノミーの文脈でクリプトに初めて触れる人が増えました。OpenSeaでの取引が急増し、NFTの売買を通じてウォレットの使い方やブロックチェーンの基本を学んだ世代です。

まとめ

日本のクリプト業界における世代分類は、単なる呼び名にとどまらず、各時代の市場環境やテクノロジーのトレンドを反映しています。黎明期のパイオニアから、テレビCMきっかけの出川世代、DeFi・NFTブーム世代まで、それぞれが異なる経験と知識を持っています。

今後もAIとブロックチェーンの融合やRWA(現実資産のトークン化)など新たなトレンドが生まれるたびに、新しい世代が誕生することでしょう。業界の歴史を理解することは、これからの投資やプロジェクト参加においても大いに役立ちます。