FTXとSam Bankman-Friedとは
FTX(エフティーエックス)は2019年にSam Bankman-Fried(SBF)が設立した暗号資産取引所です。設立から3年余りで世界第2位規模の取引所となり、SBFは「業界の救世主」として称えられました。米国の政治家へのロビー活動、慈善活動への積極的な関与、主要スポーツへのスポンサーシップなど、仮想通貨業界のイメージアップに大きく貢献した存在でした。
崩壊のきっかけと真相
2022年11月、競合取引所Binanceのトップ・趙長鵬(CZ)が、FTXの関連会社Alameda ResearchがFTXのネイティブトークン「FTT」を大量保有していることを示すバランスシートをリークしました。これを受けてFTTの急落と大規模な出金引き出しが発生。FTXは流動性危機に陥り、わずか数日で破綻を申請しました。
その後の調査で、FTXは顧客資産をAlameda Researchに不正流用し、投資・ロビー活動・不動産購入などに充てていたことが発覚。顧客被害総額は80億ドル以上に上ると推定されました。SBFは詐欺・マネーロンダリングなど複数の罪で起訴され、2024年に禁固25年の判決を受けました。
業界への影響
FTX破綻は、仮想通貨業界への規制強化の議論を大幅に加速させました。「Proof of Reserves(準備金証明)」の重要性が再認識され、中央集権型取引所のリスクが広く認知されました。また、FTXに資金を預けていたBlockFi、Genesis、Voyagerなどが連鎖的に経営危機に陥り、業界全体の信頼を大きく損なう事態となりました。