「ヘッド&ショルダー(三尊天井)」は、左肩・頭・右肩の3つの山で形成される最も有名な天井パターンの1つです。形は誰でも知っていますが、本当に重要なのは「右肩で需給がどう壊れているか」を理解すること。本記事ではCVD・spotCVD・OI・FR・Bid/Ask・出来高を並べた1枚の図で、三尊天井の「中身」を視覚的に整理します。

ヘッド&ショルダー(三尊天井)とは
ヘッド&ショルダーは、3つの山(左肩・頭・右肩)と、間の2つの谷を結ぶネックラインで構成される天井パターンです。
- 出来高は左肩 → 頭 → 右肩の順に減少する(需給劣化)。
- CVD・spotCVDは頭以降ずっと下落。右肩は明確な弱気ダイバージェンス。
- OIは右肩でむしろ増加(遅参のロングが入ってくる)。
- FRは右肩でもプラスに張り付き続ける。
- ネックラインを下抜けると大規模な連鎖清算が走る。
7指標で読み解く内訳
上のチャートを上から順に読んでいきます。すべての指標が同じ時間軸で並んでいる前提です。
① ローソク足:3つの山で構成される天井
左肩・頭・右肩の3つの山が並びます。頭が最高値、左肩と右肩はそれより低い位置です。2つの谷を結ぶ線がネックラインとなり、ここを割ると本格的な下落入り。
② Volume:3つの山で出来高が階段状に減る
左肩・頭・右肩と進むにつれ出来高が階段状に減少します。特に右肩の出来高は左肩の半分以下になることが多く、「上昇エネルギーの枯渇」を端的に示します。
③ CVD:頭以降ずっと下落
CVDは頭の形成中から下落を始め、右肩を作る間も上がらず、ネックライン割れで一気に崩れます。価格は3つの山で似た高さを保ちますが、CVDは三尊が進むほど明確に下がっており、本来支えるべき需給がないことを示します。
④ spotCVD:現物が決定的に降りている
spot側のCVDは頭からすでに下落を始め、右肩では更に下がっています。現物大口の出口は頭で完了しており、右肩で買っているのはほぼ全員パーペチュアル勢、というケースが典型的です。
⑤ OI:右肩で逆に増える
OIは右肩の形成中に再び増加します。「左肩・頭で乗り遅れたロングが、右肩で押し目買いと信じて入ってくる」ためです。これがネックライン割れ後の連鎖清算の燃料になります。
⑥ FR:3つの山で正のまま
FRは3つの山を通じてプラスを維持します。特に右肩ではコストを払い続けるロングの数が増え、わずかな下落でも損切りが連鎖する条件が揃います。
⑦ Bid&Ask:右肩で売り板が最も重い
板情報では、Askの壁が左肩から頭、右肩へと進むにつれて厚くなっていきます。右肩を支えきれずに崩れたとき、Bid側はすでに薄くなっており、速い下落が起きやすい状態です。
早期察知の3チェックリスト
- 出来高の階段状減少:左肩→頭→右肩で出来高が小さくなっているか。3段階の劣化が明確なほど本物のH&S。
- CVDの三段下げ:3つの山でCVDが切り下がっているか。CVDの下げが浅いと「未完成のH&S」または「ダマシ」の可能性。
- ネックライン下抜けバーの出来高:ブレイクのバーで出来高が急増しているか。伴っていない場合はリトライの上昇が起きやすい。
対策・トレード方針
- ロング保有者:右肩の形成が確認できた段階で部分利確が現実的。ネックライン割れまで待つと利益が半分以上削られることが多い。
- ショート狙い:右肩の高値で売って、ネックライン下抜けで増し玉が定石。ストップは頭の高値のすぐ上。
- 傍観者:H&Sは完成までに時間がかかるパターン。途中の右肩を「強気ダブルトップ」と勘違いしない注意が必要。出来高・CVDの三段下げを確認できるまで判断保留が安全。
まとめ
ヘッド&ショルダーは、3つの山を通じて出来高・CVD・spotCVDがそれぞれ劣化し、OIだけが増える「典型的な需給崩壊」を可視化したパターンです。価格の形だけで早とちりせず、3つの山で需給がどう減衰しているかを確認することが、本物の三尊を見抜く鍵になります。ネックライン割れは「最初の合図」ではなく「最後の確認」と考えるのが実戦的です。