仮想通貨の確定申告に必要な損益計算では、「取得価額(購入時の価格)」を正確に把握する必要があります。複数回に分けて購入した場合、どの価格を取得価額とするかで利益額が変わります。日本で認められている方法は総平均法と移動平均法の2つです。
総平均法とは
総平均法とは、1年間(1月1日〜12月31日)に購入したすべての仮想通貨の取得費用を合計し、保有数量で割った平均単価を取得価額とする方法です。
計算例
(例)ビットコインを以下のように購入した場合:
- 1月:0.5 BTC を 3,000,000円で購入(単価 600万円/BTC)
- 6月:0.5 BTC を 4,000,000円で購入(単価 800万円/BTC)
- 合計:1 BTC を 7,000,000円で購入
総平均単価 = 7,000,000円 ÷ 1 BTC = 700万円/BTC
この後、9月に 0.5 BTC を 5,000,000円で売却した場合:
利益 = 5,000,000円 −(7,000,000円 × 0.5)= 5,000,000 − 3,500,000 = 1,500,000円
移動平均法とは
移動平均法とは、仮想通貨を購入するたびに平均取得単価を更新していく方法です。取引のたびに計算が必要なため、総平均法より手間がかかります。
計算例(同じ前提条件で)
- 1月購入後:平均単価 = 6,000,000円/BTC(600万円で0.5BTC)
- 6月購入後:平均単価 =(3,000,000 + 4,000,000)÷ 1 BTC = 7,000,000円/BTC
9月に 0.5 BTC を 5,000,000円で売却した場合:
利益 = 5,000,000円 −(7,000,000円 × 0.5)= 1,500,000円(この例では同じ結果)
総平均法 vs 移動平均法の比較
| 項目 | 総平均法 | 移動平均法 |
|---|---|---|
| 計算タイミング | 年末に一括計算 | 取引のたびに計算 |
| 手間 | 少ない | 多い(取引が多いほど複雑) |
| 国税庁の推奨 | ◎ 推奨 | ○ 認められている |
| 税額への影響 | 価格上昇局面では税額が低くなる傾向 | より実態に近い計算 |
国税庁は総平均法を原則として推奨していますが、継続して使用する限り移動平均法も認められています。年度途中で変更することはできません。
計算に必要なデータ
- 取引所の年間取引履歴(CSV)
- 購入日・購入額・購入数量
- 売却日・売却額・売却数量
- 手数料(取得費に加算できる)
計算を簡単にする方法
複数回の取引や複数の取引所を使っている場合、手動計算は非常に複雑になります。以下のツールを使うと自動計算できます:
- Gtax:主要取引所のCSVを自動読み込みして計算
- Cryptact:DeFi・NFTの取引にも対応
- 国税庁の計算シート(Excel):無料だが手入力が必要
まとめ
仮想通貨の損益計算は、総平均法か移動平均法を使って取得価額を算出します。国税庁は総平均法を推奨しており、計算ツールを使えばスムーズに対応できます。取引履歴は年間を通じて保存し、申告期限(3月15日)に備えましょう。