暗号資産業界におけるブロックチェーンの歴史1 – はじまりの10チェーン

ブロックチェーン技術は、ビットコインの誕生と共に始まり、さまざまなチェーンが時代の流れに応じて誕生してきました。それぞれのチェーンは新しい技術やユースケースを提案し、現在の暗号資産エコシステムを形成しています。この記事では、最初の10個の主要なブロックチェーンを時代順に紹介します。


1. ビットコイン(Bitcoin) – 2009年

  • 概要: 世界初のブロックチェーン。サトシ・ナカモトによって開発され、分散型デジタル通貨として登場しました。
  • 革新:
    • 非中央集権型のP2Pネットワーク
    • プルーフ・オブ・ワーク(PoW)コンセンサス
  • ユースケース: デジタルゴールドや価値の保存手段として広く認知。

2. ライトコイン(Litecoin) – 2011年

  • 概要: ビットコインの「軽量版」としてチャーリー・リーによって開発。トランザクション速度の向上を目指しました。
  • 革新:
    • ビットコインのコードを基にして改良
    • 新しいハッシュアルゴリズム(Scrypt)を採用
  • ユースケース: 「シルバー」としてビットコインの「ゴールド」に対比され、迅速な決済手段として機能。

3. リップル(Ripple) – 2012年

  • 概要: 銀行間送金ネットワークを目指して設計された分散型台帳。トークンXRPを使用。
  • 革新:
    • PoWを使用せず、ユニークノードリスト(UNL)を利用
    • 即時送金に特化
  • ユースケース: 国際送金や金融機関間の決済効率化に利用。

4. イーサリアム(Ethereum) – 2015年

  • 概要: ビタリック・ブテリンが提案。スマートコントラクトをサポートする汎用的なブロックチェーン。
  • 革新:
    • プログラマブルなスマートコントラクト
    • DApps(分散型アプリケーション)の開発が可能
  • ユースケース: DeFi(分散型金融)、NFT(非代替性トークン)のエコシステムの基盤。

5. ダッシュ(Dash) – 2014年

  • 概要: プライバシーと迅速なトランザクションを重視したビットコインの派生版。
  • 革新:
    • PrivateSend(匿名性)とInstantSend(即時送金)機能
    • マスターノードを利用した二層構造
  • ユースケース: 個人間送金や商取引の匿名性向上。

6. イオス(EOS) – 2018年

  • 概要: スケーラビリティとDApps開発の利便性を向上させたプラットフォーム。
  • 革新:
    • プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の派生型であるDPoS(Delegated Proof of Stake)
    • 高速で手数料の低いトランザクション
  • ユースケース: 商業規模のDApps開発。

7. ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash) – 2017年

  • 概要: ビットコインのスケーラビリティ問題を解決するためにハードフォークで誕生。
  • 革新:
    • ブロックサイズを1MBから8MBに拡大
    • トランザクション速度の改善
  • ユースケース: 日常決済向けの利用を目指す。

8. ステラ(Stellar) – 2014年

  • 概要: リップルから派生し、特に個人や小規模の送金に焦点を当てたプラットフォーム。
  • 革新:
    • シンプルな分散型交換所(DEX)
    • フェデレーテッド・ビザンチン合意(FBA)を採用
  • ユースケース: 低コストの国際送金、デジタル資産発行。

9. トロン(TRON) – 2017年

  • 概要: デジタルコンテンツ配信の分散型プラットフォームを目指して開発。
  • 革新:
    • 高スループットのチェーン設計
    • DAppsとスマートコントラクトのサポート
  • ユースケース: 分散型のエンターテインメントプラットフォーム。

10. カルダノ(Cardano) – 2017年

  • 概要: 科学的アプローチで設計された第3世代のブロックチェーン。
  • 革新:
    • Ouroborosと呼ばれるPoSプロトコル
    • モジュール化された設計と高いセキュリティ
  • ユースケース: スケーラブルで持続可能なDApps開発。

まとめ

これらのチェーンは、それぞれ独自の目標や課題解決を追求して進化を遂げてきました。ビットコインが基盤を築き、イーサリアムがスマートコントラクトを導入してエコシステムを広げたように、それぞれのチェーンが暗号資産業界の発展に重要な役割を果たしています。今後も新しいチェーンが誕生し、さらに多様なユースケースが生まれることが期待されています。