Ondo Finance(オンドファイナンス)とは?RWAトークン化プロトコルの仕組み・特徴を解説

ブロックチェーン技術の進化により、現実世界の資産(RWA:Real World Assets)をトークン化する動きが加速しています。米国債や不動産、社債といった従来の金融資産をオンチェーンで扱えるようにすることで、透明性の向上やアクセスの民主化が期待されています。

その中でも特に注目を集めているのが「Ondo Finance(オンドファイナンス)」です。Ondo Financeは、機関投資家グレードの金融商品をDeFi上で提供することを目指すRWAトークン化プロトコルで、米国債をトークン化した「USDY」や「OUSG」といったプロダクトで急成長を遂げています。

本記事では、Ondo Financeの基本的な仕組みから、主要プロダクト、競合との違い、そして今後の展望までを詳しく解説します。

Ondo Financeとは — プロジェクトの概要

Ondo Financeは、2021年に設立されたDeFiプロトコルで、伝統的金融(TradFi)の資産をブロックチェーン上にトークン化して提供することを主な事業としています。創業者のNathan Allman氏は、Goldman Sachsのデジタルアセット部門出身で、伝統金融とDeFiの橋渡しを強く意識したプロジェクト設計が特徴です。

Ondo Financeのビジョンは「機関グレードの金融をオンチェーンで、誰もがアクセスできるようにする」というものです。従来、米国債や社債への投資は証券口座の開設や最低投資額の制約がありましたが、トークン化によりこれらの障壁を大幅に下げることが可能になります。

資金調達面でも順調で、Pantera Capital、Coinbase Ventures、Tiger Globalなどの大手VCから合計3,400万ドル以上の資金を調達しています。RWAトークン化分野ではTVL(Total Value Locked)で常にトップクラスの実績を誇ります。

主要プロダクト — USDYとOUSG

Ondo Financeの代表的なプロダクトは、「USDY(US Dollar Yield Token)」と「OUSG(Ondo US Government Bond Fund)」の2つです。それぞれ異なるニーズに対応しています。

USDYは、短期米国債と銀行預金を裏付けとしたトークン化証券で、保有するだけで利回り(イールド)を得られる設計です。いわば「利回り付きステーブルコイン」のような存在で、USDCやUSDTとは異なり、保有者自身がイールドを享受できる点が大きな特徴です。USDYはリベース型ではなく、トークン価格自体が徐々に上昇していく仕組みを採用しています。

OUSGは、BlackRockのiShares短期米国債ETF(SHV)への投資エクスポージャーをトークン化したファンドです。こちらはより機関投資家向けのプロダクトで、最低投資額が設定されていますが、即日の発行・償還が可能で、オンチェーンでの流動性も確保されています。

両プロダクトとも、裏付け資産は規制された金融機関がカストディしており、定期的な監査レポートも公開されています。透明性と安全性を重視した設計が、機関投資家からの信頼獲得につながっています。

RWAトークン化の意義と競合との比較

RWA(Real World Assets)のトークン化は、2024年から2025年にかけてDeFi分野で最も注目されるトレンドの一つとなりました。BlackRockがBUIDLファンドを立ち上げ、Franklin TempletonがBENJIトークンを展開するなど、伝統金融の大手もこの領域に参入しています。

Ondo Financeの強みは、こうした大手TradFiプレイヤーとの連携を積極的に進めている点です。BlackRockのBUIDLファンドとの統合や、Ondo Global Marketsという新たなプラットフォームを通じて、株式や債券を含む幅広い資産のトークン化を計画しています。

競合としては、MakerDAOのRWA投資やMaple Finance、Centrifugeなどが挙げられます。MakerDAOは米国債への投資を通じてDAIの裏付けを強化していますが、これはプロトコルレベルの運用です。一方、Ondo Financeはエンドユーザー向けのプロダクトとして直接RWAトークンを提供している点で差別化されています。

また、Ondo Financeは複数のブロックチェーンに対応するマルチチェーン戦略を展開しています。Ethereum、Solana、Mantle、Polygon、Suiなど多数のチェーンでUSDYが利用可能で、DeFiプロトコルとの統合も進んでいます。

ONDOトークンとガバナンス

Ondo Financeには独自のガバナンストークン「ONDO」が存在します。ONDOトークンは、プロトコルのガバナンスに参加するために使用され、手数料構造の変更やプロダクトのパラメータ調整などに関する投票権を保有者に付与します。

ONDOトークンは2024年1月にローンチされ、総供給量は100億枚です。トークン配分はコミュニティ・エコシステム成長、プロトコル開発、チーム、投資家などに割り当てられており、段階的なアンロックスケジュールが設定されています。

ガバナンスはOndo DAOを通じて行われ、トークン保有者はプロポーザルの提出や投票に参加できます。ただし、規制対象となる金融商品を扱うプロトコルであるため、完全な分散化よりも規制遵守とのバランスを重視したガバナンス設計となっています。

まとめ

Ondo Financeは、RWAトークン化という成長分野のリーディングプロジェクトとして、DeFiと伝統金融の融合を推進しています。USDYやOUSGといったプロダクトを通じて、米国債の利回りをオンチェーンで誰でも享受できる環境を構築しつつあります。

BlackRockをはじめとする大手金融機関との連携、マルチチェーン展開、そしてOndo Global Marketsによる対象資産の拡大など、今後の展開にも大きな期待が寄せられています。RWA分野に興味がある方は、Ondo Financeの動向を継続的にウォッチしておくことをおすすめします。

ただし、RWAトークンは規制環境の変化による影響を受けやすい側面もあります。投資を検討する場合は、規制リスクやカウンターパーティリスクについても十分に理解した上で判断するようにしましょう。