VASPs(仮想資産サービスプロバイダー)には、さまざまな種類の企業が含まれます。その活動内容に応じて具体例を挙げると以下の通りです。
1. 仮想通貨取引所(Crypto Exchanges)
仮想通貨の売買を提供するプラットフォームです。
- 例:
- Binance: 世界最大級の取引量を誇る取引所。多様なトークンを扱い、ステーキングなどの付加サービスも提供。
- Coinbase: アメリカを拠点とする上場企業で、規制遵守に強みがある。
- Kraken: セキュリティに力を入れ、プロフェッショナル向けの取引ツールが充実。
- Bitflyer: 日本を拠点とし、高い法令遵守とユーザーフレンドリーな設計が特徴。
2. ウォレットプロバイダー(Wallet Providers)
仮想通貨を安全に保管するサービスを提供します。
- 例:
- Ledger: ハードウェアウォレットの代表例で、オフラインでの資産保管を重視。
- Trezor: もう一つの主要なハードウェアウォレットプロバイダー。
- MetaMask: イーサリアムベースのトークンを扱う人気のソフトウェアウォレット。
3. 送金サービスプロバイダー(Payment and Transfer Services)
仮想通貨を利用した送金や決済サービスを提供します。
- 例:
- Ripple (XRP): 国際送金に特化し、低コストかつ高速なトランザクションを提供。
- BitPay: 仮想通貨を利用した支払い処理を行うプロバイダー。
- Circle: USDC(USD Coin)を活用した送金・決済サービスを提供。
4. DeFiプラットフォーム(Decentralized Finance Platforms)
分散型金融サービスもVASPsに含まれる場合があります。
- 例:
- Uniswap: 分散型取引所(DEX)の一つで、ユーザー間の直接取引を実現。
- Aave: 仮想通貨の貸付・借入を提供する分散型プラットフォーム。
- MakerDAO: DAIというステーブルコインの発行・管理を行う分散型組織。
5. ステーキングサービスプロバイダー
仮想通貨を預けて報酬を得るサービスを提供します。
- 例:
- Lido Finance: ステーキングのための流動性ソリューションを提供。
- Binance Staking: 取引所を通じてステーキングが可能。
- Rocket Pool: 分散型のイーサリアムステーキングプロトコル。
6. カストディアン(Custodians)
機関投資家や大口顧客の仮想通貨資産を保管します。
- 例:
- Anchorage Digital: アメリカで規制を受けた初のカストディプロバイダー。
- Fireblocks: セキュリティを重視したカストディサービスを提供。
- Gemini Custody: アメリカの規制に準拠した安全なカストディを提供。
7. その他のVASPs
特定のニッチなサービスや地域特化型のプロバイダーも含まれます。
- Paxos: ブロックチェーンベースのインフラを提供し、ステーブルコインや証券取引の基盤を提供。
- BitGo: 大規模な取引所や投資家向けの保管および送金ソリューションを提供。
注意
VASPsに該当するサービスプロバイダーは、規制対象となるため、各国で異なるルールに従っています。一部のサービス(特にDeFi)はVASPsとして明確に分類されない場合もありますが、規制の進展により分類が変わる可能性があります。
VASPsの例を選ぶ際には、提供するサービスや利用地域の規制状況を考慮する必要があります。