インパーマネントロス(Impermanent Loss)とは

インパーマネントロス(Impermanent Loss)とは、暗号資産の流動性プールにおいて、預けたトークンの価格変動によって発生する一時的な損失です。特にDeFi(分散型金融)の流動性マイニングやイールドファーミングで発生するリスクで、価格が変動した結果、トークンをそのまま保有していた場合よりも少ない利益を得ることがあります。このリスクはトークンの価格が大きく変動するほど高まりますが、価格が元に戻れば損失は回復する可能性があります。

詳しい解説

1. インパーマネントロスの仕組み

インパーマネントロスは、主に自動マーケットメーカー(AMM)を使った流動性プールに流動性を提供した際に起こります。流動性提供者は通常、2つのトークン(例:ETHとUSDT)をペアにして預け入れます。これらのトークンの価格が変動すると、AMMが自動的にトークンの数量を調整し、価格のバランスを保ちます。この過程で、流動性提供者がそのままトークンを保持していた場合よりも少ない価値になることがあり、これがインパーマネントロスです【5】【8】。

2. インパーマネントロスの発生例

例えば、ETHとUSDTのペアで流動性を提供している場合、ETHの価格が急激に下がると、AMMは安くなったETHを買い増し、USDTを売ります。その結果、保有しているETHの枚数は増えますが、その価値は大幅に下がってしまいます。ETHの価格が元に戻れば問題ありませんが、そのままETHの価格が低迷すると、トークンを単に保持していた方が得だったという結果になります【6】【9】。

3. インパーマネントロスのリスク要因

インパーマネントロスは価格変動が大きいほど損失が増えます。例えば、価格が2倍に上がる場合、損失は約5.72%に達し、価格が4倍になった場合、損失は約20%に達する可能性があります【9】。逆に、価格が安定しているトークンペア(ステーブルコインなど)を選ぶことで、このリスクを大幅に減らすことができます【6】【7】。

4. インパーマネントロスの対策

インパーマネントロスを抑えるためには、価格変動の少ないステーブルコインを通貨ペアに選ぶことが一般的です。また、流動性プールに長期的に預けることで、短期的な価格変動による損失を回避することもできます。ただし、ステーブルコインペアでは利回りが低くなる可能性もあります【7】。

このように、インパーマネントロスは流動性提供時に必ず考慮すべきリスクですが、対策を講じることでリスクを減らすことが可能です。