Blockstreamは、2014年にアダム・バック(Adam Back)らによって設立されたカナダ拠点のブロックチェーン技術企業。ビットコインのスケーラビリティ・セキュリティ・分散性を重視し、主にレイヤー2技術(特にLiquid Network)やビットコイン衛星通信など、インフラ分野で革新を続ける企業。
1. 主なプロダクトと技術
- Liquid Network
Blockstreamが開発したビットコインのサイドチェーン。高速・低手数料でトランザクションを処理でき、機関投資家や取引所間の送金に適している。独自のL-BTC(Liquid BTC)を使用。 - Blockstream Satellite
世界中の誰もがインターネット不要でビットコインブロックチェーンにアクセスできるようにするため、人工衛星からビットコインのブロックデータを配信するサービス。ネット検閲や災害時でもノードの維持が可能。 - Green Wallet(旧:GreenAddress)
高いセキュリティ性とマルチシグ対応のビットコインモバイルウォレット。2-of-2のマルチシグ構成などで安全性が高く、BlockstreamのLiquid Networkにも対応。 - Blockstream Jade
ハードウェアウォレット。ビットコインおよびLiquid Networkをサポートし、オープンソースで開発されている。 - Miner Leasing & Mining Services
ビットコインマイニングのホスティングサービスやハッシュレートリースを提供。特に2021年以降、北米でのマイニング拡大に積極的。
2. 創業メンバーと関係人物
- Adam Back(アダム・バック)
Hashcashの提唱者であり、Blockstreamの共同創業者兼CEO。ビットコインの初期構想に影響を与えた一人であり、サトシ・ナカモトがホワイトペーパーで唯一言及した技術「Hashcash」の生みの親。 - Gregory Maxwell(グレゴリー・マクスウェル)
元Blockstream CTO。ビットコインコア開発者であり、Confidential TransactionsやTaprootなど数々の技術を提案。 - Pieter Wuille(ピーター・ウィリー)
Blockstreamの共同創業者であり、SegWit(セグウィット)やBech32アドレスの設計者。
3. 技術的理念とスタンス
- ビットコイン最大主義(Bitcoin Maximalism)
他のL1チェーンよりも、ビットコインの進化を重視する立場。自社プロダクトはすべてビットコインに基づいており、イーサリアムなどとの互換性を優先しない。 - スケーリング戦略としてのレイヤー2
ビットコイン本体のトランザクション容量を抑えるため、Liquidなどの外部ネットワークでのスケーリングを推進。 - 検閲耐性の追求
Blockstream Satelliteなどのプロジェクトは、国家やインターネット事業者による検閲を回避することを目的としている。
4. 批判と議論
- 「陰のビットコイン政府」との批判
Blockstreamには多くのビットコインコア開発者が所属していたことから、特定企業がプロトコルに影響を与えすぎているという批判もあった。 - Lightning Networkとの関係性
LightningはBlockstreamのプロジェクトではないが、同社も開発に参加しており、Liquidとの位置づけの違いに関して議論がある。
5. 関連キーワード
- Adam Back(アダム・バック)
- Hashcash
- Liquid Network
- Green Wallet / Jade
- サイドチェーン
- マイニングホスティング
- ビットコイン衛星
- Blockstream Satellite
- Bitcoin Maximalism
- Layer 2