DeFiサマー(デファイサマー)とは、2020年5月頃から盛り上がった、CompoundのGovernanceトークン(COMP)による流動性マイニング開始を皮切りに、DeFi全体が爆発的成長した期間を指します。TVL(預かり資産総額)の急上昇とともに、利回り追求の「イールドファーミング」や「ガバナンスの民主化」が注目され、市場と開発の両面で革新が加速しました。ナスダック+10finematics.com+10Steno Research+10Phemex


1. 背景と主要トリガー

・Compound(COMP)による流動性マイニング開始(2020年5月)
ユーザーが預け入れ・借入を行うことでCOMPトークン報酬を得られる仕組みが導入され、市場に大量の資金が流入しました。

・イールドファーミングという新概念の出現
報酬トークンを得るために複数プロトコルを行き来して収益最大化を狙う戦略が生まれ、多様なプロジェクトへの資金流入トレンドが加速しました。


2. 注目プロトコルと成果

・Yearn Finance(YFI)
2020年7月、Andre Cronjeによって開始されたYFIは「フェアローンチ」方式でガバナンストークンを配布。短期間で価格が数倍から$30,000を超えるパラボリックな上昇を記録。Phemex+4finematics.com+4finematics.com+4

・Uniswap(UNI)のエアドロップと流動性マイニング
既存ユーザーに対する遡及的エアドロップと同時に流動性提供に報酬を導入。数十億ドル規模のTVL流入を実現。


3. 市場への影響と数値

  • TVLの大幅増加:年初約7億ドルだったDeFiのTVLは、2020年末に数十億ドル規模に急拡大。2021年末には1,780億ドルを突破。Gate.com+4Yield App+4Phemex+4
  • ETH価格と相関した市場拡大:BTC半減期後の追い風もあり、DeFi関連資産全体の価格上昇と相乗的に成長。

4. DeFiサマー以降と現状

  • DeFi2.0やDeFiサマー2.0議論:2021年以降もNFT・L2・クロスチェーンなどが絡む新たな成長フェーズとして提唱されたが、以前ほどの勢いは限定的。
  • 2024–2025年の再び高成長フェーズの兆し:安定コイン規模の拡大やRWA導入、インフレ・政策金利の転換といった要素が、**「次のDeFiサマーが来るかも?」**という期待を高めている。Steno Research+10coindesk.com+10gsr.io+10

✅ まとめ

項目内容
何が起きた?COMP・YFI・UNIといったトークンによるインセンティブ設計により、DeFiエコシステムが爆発的成長
なぜ注目された?イールドファーミングによる高リターン、ガバナンス権の個人へ移譲、プレイツインマネーの革命
その後の影響ネットワーク効果・資金流入・技術革新が加速し、「DeFiフェーズ」の本格化
今後の展開RWA、インスティチューション参加、ポリシー転換によるSecond DeFi Summerの兆しあり

🌞 今後への示唆

DeFiサマー2020は、DeFi市場の存在を世に知らしめた象徴的なバブル期でした。
次のサマー期には、単なるYield追求ではなく「実需・機関⇄On‑chain」の実用性ある発展が求められています。プロジェクト選定時には、インセンティブ設計の持続性・技術・法規制体制をよく理解する必要があります。