1. 概要
デペッグ(Depeg)とは、ステーブルコインなどの仮想通貨が、本来連動すべき価格基準(ペッグ)から乖離する現象を指します。通常、ステーブルコインは1ドル=1コインの価格を維持するよう設計されていますが、市場の混乱や担保不足により、そのペッグが崩れることがあります。
デペッグが発生すると、ステーブルコインの信頼性が低下し、仮想通貨市場全体に大きな影響を与えることがあります。
2. デペッグの主な原因
(1) 担保の不足・流動性の低下
- ステーブルコインの発行元が十分な担保(ドルや仮想通貨)を確保していない場合、デペッグが発生しやすくなる。
- 例:2023年、USDCは米国の銀行破綻に伴い、準備金の一部が凍結され、価格が1ドルを下回った。
(2) 極端な市場変動
- 仮想通貨市場が急落すると、ステーブルコインの流動性が不足し、売り圧力が増加してデペッグにつながる。
- 例:2020年3月のコロナショックで、ステーブルコインの価格が一時的に急変動。
(3) アルゴリズム型ステーブルコインの崩壊
- 一部のステーブルコインは、法定通貨や仮想通貨を担保とせず、アルゴリズム(供給調整)で価格を維持している。
- 例:2022年、TerraUSD(UST)は大規模な売り圧力により価格維持が不可能になり、最終的に1ドル→0.1ドル以下に暴落。
3. 代表的なデペッグ事例
ステーブルコイン | 事件 | 影響 |
---|---|---|
TerraUSD(UST) | 2022年5月の崩壊 | 1ドル→0.1ドル以下、Terraエコシステムが崩壊 |
USDC(USD Coin) | 2023年3月の銀行破綻 | 1ドル→0.87ドル、一時的な流動性危機 |
DAI(DAI) | 2020年のコロナショック | 1ドル→1.10ドル超、過剰担保型の影響で価格上昇 |
4. デペッグを防ぐための対策
(1) 十分な担保を確保する
- ステーブルコインの発行元が、準備金の透明性を確保し、十分な法定通貨・資産を裏付けとすることが重要。
- 例:USDCやBUSDは、監査を受けて資産の保有状況を公開。
(2) 分散型担保管理の強化
- DAIのように、複数の仮想通貨を担保にすることで、特定の資産の価格暴落によるデペッグリスクを低減。
(3) 迅速な市場介入
- デペッグが発生した際、発行元が流動性供給を行うことで、価格の安定を図る。
- 例:USDCの発行元Circleは、市場での買い支えを行い、価格回復を試みた。
5. まとめ
- デペッグとは、ステーブルコインなどが本来の価格基準から乖離する現象のこと。
- 担保不足、市場変動、アルゴリズム型ステーブルコインの脆弱性などが主な原因。
- 過去にはUSTの崩壊やUSDCの価格変動など、仮想通貨市場に大きな影響を与えた事例がある。
- 十分な担保、分散型管理、市場介入などの対策がデペッグ防止に重要。
デペッグは仮想通貨市場の安定性に関わる重要な問題であり、投資家はリスク管理を徹底する必要があります。