成海組(なるみぐみ)とは

成海組とは、2017年ごろに日本の暗号通貨(仮想通貨)業界において、一部の投資家コミュニティやSNS上で使われた俗称です。これは、ビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨の投資を行う人々の中で、特定の時期に市場へ参入したグループを指す言葉の一つでした。

背景となる出来事

  • 2017年5月に仮想通貨取引所 bitFlyer(ビットフライヤー) が、女優の成海璃子を起用したCMを放映。
  • このCMの影響で仮想通貨に興味を持ち、新規参入した投資家が増加。
  • その結果、この時期に市場へ参入した投資家たちをネット上で 「成海組」「璃子組」 と呼ぶ流れが発生。

同様の呼称の例

  • 2017年12月には、仮想通貨取引所 Coincheck(コインチェック)出川哲朗 を起用したCMを放映。
  • その影響で新規参入した投資家を 「出川組」 と呼ぶ風潮が生まれた。
  • 「成海組」は、この「出川組」などと同様の文脈で生まれた名称。

重要なポイント

  • 成海組は公式な団体や組織ではなく、投資家グループを指す俗称。
  • 市場への参入時期によって区別されるため、固定のコミュニティがあるわけではない。
  • 2017年当時の仮想通貨ブームの中で形成されたネットスラングの一種。

【詳しい解説】

1. 成海組の由来

2017年5月、日本最大手の仮想通貨取引所の一つ bitFlyer(ビットフライヤー) は、当時の暗号通貨市場の成長を背景に、より多くのユーザー獲得を目的としたCMキャンペーンを展開しました。そのCMに起用されたのが、女優の 成海璃子 でした。

  • CMの影響で、仮想通貨市場への新規参入者が増加。
  • 当時の仮想通貨市場は急成長しており、多くの初心者投資家が参加。
  • これらの投資家を 「成海組」「璃子組」 と呼ぶネットスラングが生まれる。

この呼称は、仮想通貨コミュニティの中で流行し、SNSや掲示板(5ちゃんねる、Twitterなど)で使用されるようになりました。

2. 成海組と出川組の比較

成海組とよく比較されるのが 「出川組」 です。

出川組とは?

  • 2017年12月に Coincheck(コインチェック) が、お笑いタレント 出川哲朗 を起用したCMを放映。
  • ちょうどその時期に仮想通貨市場がピークを迎え、多くの個人投資家が市場に参入。
  • しかし、その直後に2018年の仮想通貨バブル崩壊(通称「クリプト冬の時代」)が訪れ、損失を被る投資家が続出。
  • そのため「出川組」は、仮想通貨市場で高値掴みしてしまった初心者投資家の象徴として語られるように。

成海組との違い

項目成海組出川組
登場時期2017年5月頃2017年12月頃
影響を受けたCMbitFlyer(成海璃子起用)Coincheck(出川哲朗起用)
市場の状況上昇トレンド中最高値圏でのバブル
結果比較的利益を得た投資家が多いバブル崩壊で損失を被った投資家が多い

成海組は比較的早い段階で仮想通貨に参入したため、バブル崩壊前に利益を出せた投資家も多かったと考えられます。一方、出川組は高値圏での参入が多かったため、バブル崩壊後の暴落に巻き込まれた人が多数いたという違いがあります。


3. 成海組の実態と影響

成海組という言葉はあくまでネットスラングであり、特定の組織や団体が存在するわけではありません。しかし、2017年当時の仮想通貨市場の状況や、CMによる新規参入者の増加という現象を反映した用語であるため、クリプト業界における一種の「歴史的な区分」として語られることがあります。

また、成海組の時期に参入した投資家は、以下のような市場の変動を経験しました。

  • 2017年5月~12月:ビットコイン価格が急上昇(約30万円→200万円)
  • 2018年初頭:市場崩壊(200万円→30万円台まで暴落)
  • 2020年以降:再び上昇トレンドに入り、2021年には史上最高値(約700万円)を記録

成海組の一部の投資家は、この市場の浮き沈みを経験しながらも長期的に仮想通貨を保持して利益を出した人もいると考えられます。


4. 成海組に関連する話題

  • 仮想通貨ブームとメディアの影響
    仮想通貨市場では、メディアや広告が投資家心理に与える影響が大きく、特に著名な芸能人を起用したCMは、市場の新規参入者を増やす大きな要因となりました。
  • SNSと投資家コミュニティの形成
    成海組や出川組のような呼称は、SNS(Twitter、5ちゃんねるなど)での投資家の間で広まり、コミュニティ内での自己認識として使われることがありました。
  • 仮想通貨市場の教訓
    成海組・出川組の存在は、メディアの影響を受けて安易に投資することのリスクや、仮想通貨市場のボラティリティの高さを示す象徴的な事例となっています。

【まとめ】

  • 成海組とは、2017年5月頃にbitFlyerのCMをきっかけに仮想通貨市場へ参入した投資家を指す俗称。
  • 公式な組織ではなく、ネットスラングの一種。
  • 出川組と比較されることが多いが、成海組の方が早く参入しており、バブル崩壊前に利益を出せた人も多い。
  • 仮想通貨市場の歴史の一部として、当時の投資ブームを象徴する用語となっている。

補足

現在では「成海組」という言葉はあまり使われていませんが、当時の仮想通貨ブームを振り返る際には登場することがある用語です。