仮想通貨のトレードをしていると、誰しも一度は「ポジションがマイナスになってしまった……」という経験があるのではないでしょうか。このとき、時間が経てば価格が元に戻って、ポジションがプラスに転じることを期待する人も多いでしょう。
しかし、価格がランダムウォークに従うと仮定した場合、時間が経つほどポジションがマイナスのままである確率が高いのです。今回は、ランダムウォークの理論に基づき、価格がどのように動くのかを解説しながら、なぜこのような現象が起こるのかを見ていきましょう。
1. ランダムウォークとは?
ランダムウォークとは、次にどの方向に動くかが完全にランダムである動きのことを指します。仮想通貨の価格がランダムウォークに従う場合、次に価格が上がるか下がるかは50%ずつの確率で決定され、予測が不可能です。
たとえば、今日の価格が明日上がるか下がるかは完全にランダムで、外部からの要因や過去の動きによって影響を受けないと考えます。つまり、価格は上昇と下落を繰り返しながら、期待値ゼロでランダムに動くという理論です。
2. ポジションがマイナスの状態ではどうなる?
仮にあなたがある仮想通貨を購入し、その価格が下落して現在マイナスのポジションを抱えているとします。この時点で、価格がランダムに動くと仮定すると、価格が上がるか下がるかは50%ずつですが、ポジションがプラスに転じるまでの回復にはある程度の価格上昇が必要です。
価格がランダムに動く場合、マイナスからプラスに戻るには複数回の上昇が必要となり、その間に価格が下がる可能性も大いにあります。このため、短期間ではポジションがマイナスのままである可能性が高まります。
3. 時間が経つとマイナスのままでいる確率が高くなる
ランダムウォークの性質の一つに「再帰性」というものがあります。再帰性とは、長い時間が経てば価格が再び元の位置に戻る可能性があるという性質です。しかし、これは無限の時間が与えられた場合に限ります。現実のトレードでは時間に限りがあるため、短期間では価格が元に戻らず、ポジションがマイナスのままでいる可能性が高くなります。
実際、価格がランダムに動く場合、マイナスのポジションがそのまま続く確率は時間とともに増加します。元の価格に戻るためにはランダムな価格上昇が必要ですが、その過程で再び下落するリスクも高いためです。
4. 価格が戻らないリスクを理解しよう
仮想通貨の価格がランダムウォークに従うとすれば、ポジションがマイナスになった場合に「いつか戻るだろう」と期待するのは非常にリスクが高い行為です。もちろん、価格が回復することもありますが、それはあくまでランダムな動きの一環であり、再び下がるリスクも同時に伴います。
そのため、ポジションがマイナスになったときにいつまでもホールドし続けるのは、リスクを伴う戦略であることを理解する必要があります。
5. まとめ
仮想通貨の価格がランダムウォークで動くと仮定すると、ポジションがマイナスの状態にある場合、時間が経つほどそのままマイナスのままである確率が高まります。これは、価格がランダムに動くために、回復するための動きが期待できないことに起因します。
トレードにおいては、マイナスのポジションが続くリスクを理解し、適切なリスク管理を行うことが重要です。価格がいつか戻ると期待してホールドし続けるよりも、計画的に損切りを行うことがトレード成功の鍵となる場合もあります。
仮想通貨トレードは、感情に左右されず、冷静にリスクを管理しながら行うことが重要です。