仮想通貨用語集 定番58語 2025年2月更新

基本用語

  • 仮想通貨(暗号資産):インターネット上で取引・流通するデジタル通貨の総称。暗号技術によって取引の安全性が保たれており、中央の管理者を必要としないものが多い。
  • ビットコイン(Bitcoin):世界初の分散型デジタル通貨。2009年に運用が開始され、中央管理者なしで取引記録をブロックチェーンに保存する。
  • ブロックチェーン:取引記録(トランザクション)をまとめた「ブロック」を時系列に連結(チェーン)した分散型台帳技術。改ざんが極めて困難な仕組み。
  • トランザクション:ブロックチェーン上の個々の取引データ。誰がどのアドレスにいくら送ったかなどの情報を含む。
  • ウォレット:暗号資産を管理・保管するためのデジタル財布。秘密鍵を安全に保管し、取引の署名や残高確認に使用する。
  • 秘密鍵:暗号資産の所有権を証明し、取引に署名するための重要なデータ。第三者に知られると資産を盗まれる恐れがあるため、厳重に管理する。
  • 公開鍵:秘密鍵から生成されるペアの鍵で、他者に公開しても安全な情報。公開鍵からアドレスが生成され、入金先として使用される。
  • アドレス:暗号資産の送り先・送り元を示す識別子。英数字で構成された文字列で、公開鍵から生成される。
  • マイニング(採掘):新しいブロックを生成し、取引を承認する作業。成功すると、新規発行のコインや手数料が報酬として与えられる。
  • ハッシュ:任意のデータから生成される固定長の暗号学的な値。ブロックチェーンでは各ブロックが前のブロックのハッシュ値を含み、改ざん防止に役立つ。
  • コンセンサスアルゴリズム:分散ネットワークの参加者同士で取引の正しさを合意するための仕組み。代表的な方式にプルーフ・オブ・ワーク(PoW)やプルーフ・オブ・ステーク(PoS)などがある。
  • プルーフ・オブ・ワーク(PoW):ビットコインなどが採用する合意形成アルゴリズム。ノード(マイナー)が計算競争を行い、最初に正解を見つけた者がブロックを提案し報酬を得る。
  • プルーフ・オブ・ステーク(PoS):暗号資産の保有量や保有期間に応じてブロック生成の権利を与える合意アルゴリズム。多数の通貨をステーク(預け入れ)した参加者がブロック提案者に選ばれやすくなる。
  • ノード:ブロックチェーンネットワークに参加し、取引データを保存・中継・検証するコンピュータ。多数のノードが存在することでネットワークの分散性と安全性が担保される。

応用・トレンド用語

  • ハードフォーク:ブロックチェーンの仕様変更の一種で、過去の互換性が保たれないアップデート。ネットワーク参加者が新旧で分裂し、新しいチェーンと古いチェーンが別々に存続する可能性がある。
  • ソフトフォーク:ブロックチェーンの仕様変更の一種で、過去の互換性が保たれるアップデート。全てのノードが新しいルールを受け入れることで、チェーンの分裂を避けることができる。
  • スマートコントラクト:ブロックチェーン上で自動的に実行される契約やプログラム。条件が満たされると自動的に取引や処理が行われる。
  • DApps(分散型アプリケーション):ブロックチェーン上で動作するアプリケーション。中央管理者が存在せず、スマートコントラクトを活用してサービスを提供する。
  • ICO(Initial Coin Offering):新しい暗号資産やプロジェクトが資金調達のために行うトークンの初期販売。投資家は将来の利益を期待して参加するが、リスクも伴う。
  • NFT(Non-Fungible Token):ブロックチェーン技術を利用して発行される代替不可能なトークン。デジタルアート、音楽、ゲームアイテム、不動産などの所有権を証明するために使用される。
  • DeFi(Decentralized Finance):分散型金融の略で、銀行などの中央機関を介さずに金融サービスを提供するエコシステム。貸付、取引、利息獲得などをスマートコントラクトを通じて自動的に行う。
  • DEX(Decentralized Exchange):中央管理者なしで暗号資産の取引を行う分散型取引所。ユーザー同士が直接取引を行い、プライバシーの確保とセキュリティの向上が図られている。
  • ステーキング:特定の暗号資産をネットワークにロックすることで、報酬を得る仕組み。PoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用するブロックチェーンでよく使われる。
  • イールドファーミング:DeFiプロジェクトに暗号資産を預け、利回り(報酬)を得る仕組み。流動性提供者として機能し、手数料やガバナンストークンが報酬として受け取れる。
  • ガバナンストークン:DeFiプロジェクトやDAO(分散型自律組織)において、プロトコルの変更や方針決定に投票する権利を持つトークン。保有者はコミュニティの運営に参加できる。
  • DAO(Decentralized Autonomous Organization):スマートコントラクトを活用して運営される自律分散型組織。従来の企業のような中央管理者が存在せず、ガバナンストークンを持つ参加者が意思決定を行う。
  • メタバース:ブロックチェーン技術を活用した仮想空間。NFTや仮想通貨を用いた経済圏が形成され、ゲーム、ビジネス、エンタメなどの分野で注目されている。
  • レイヤー2(L2):イーサリアムなどのスケーラビリティ問題を解決するための技術。取引の処理をメインチェーン外で行い、手数料を削減しつつ高速化を図る。
  • ブリッジ(Bridge):異なるブロックチェーン間で資産を移動させる技術。例えば、イーサリアムのトークンをBNBチェーンで利用できるようにする機能を提供する。

技術関連の用語

  • ZK-Rollups(ゼロ知識ロールアップ):レイヤー2のスケーリング技術の一つ。ゼロ知識証明を活用し、イーサリアムのメインチェーンに負荷をかけずに高速かつ安価な取引を実現する。
  • Optimistic Rollups:レイヤー2のスケーリング技術で、取引を一時的にメインチェーン外で処理し、一定期間の間に不正がないか検証を行う仕組み。不正が見つかると、訂正が行われる。
  • シャーディング(Sharding):ブロックチェーンのスケーラビリティを向上させるために、ネットワークを小さなデータベースに分割する技術。イーサリアム2.0が導入予定。
  • ライトニングネットワーク:ビットコインのスケーラビリティを向上させるためのオフチェーン技術。少額決済を高速かつ低コストで行うことが可能。
  • MEV(Maximum Extractable Value):マイナーやバリデーターがブロック内の取引順序を最適化し、手数料を最大化することで得られる利益。
  • レイヤー1(L1):ブロックチェーンの基盤となるネットワーク(例:ビットコイン、イーサリアム)。これらのチェーン上で直接トランザクションが処理される。
  • レイヤー2(L2):レイヤー1の処理能力を補完するための追加レイヤー。取引をオフチェーンで処理し、コスト削減とスケーラビリティ向上を目的とする。

投資・市場関連の用語

  • トークンバーン:特定の暗号資産の供給量を減らすために、一定量のトークンを意図的に破棄する行為。供給量が減ることで価格上昇が期待されることもある。
  • エアドロップ(Airdrop):プロジェクトがマーケティングや普及を目的として、特定の条件を満たしたユーザーに無料でトークンを配布する手法。
  • ホドル(HODL):仮想通貨市場において、価格の上下に関わらず長期間保有し続けることを指すスラング。「Hold(保持する)」のタイポが元となっている。
  • FOMO(Fear of Missing Out):市場の上昇トレンドを逃すことへの恐怖心から、冷静な判断なしに資産を購入する心理状態。
  • FUD(Fear, Uncertainty, and Doubt):仮想通貨市場におけるネガティブなニュースや噂が広まり、不安や疑念を引き起こし、市場の売り圧を高める現象。
  • パンプ&ダンプ(Pump and Dump):特定の仮想通貨の価格を意図的に釣り上げ(Pump)、その後一斉に売却(Dump)して利益を得る市場操作の手法。
  • 循環供給量(Circulating Supply):現在市場で流通している特定の仮想通貨の総量。
  • 総供給量(Total Supply):現在発行されているトークンの総数(バーンされたトークンは含まれない)。
  • 最大供給量(Max Supply):将来的に発行される最大のトークン量。例えば、ビットコインの最大供給量は2100万BTCと決まっている。
  • ハーフニング(Halving):ビットコインや他のPoW通貨で、マイニング報酬が半減するイベント。供給の減少が価格の上昇要因となることが多い。

セキュリティ関連の用語

  • フィッシング詐欺(Phishing Scam):詐欺師が本物の取引所やウォレットのログインページに似せた偽サイトを作成し、ユーザーの秘密鍵や認証情報を盗む手口。
  • スマートコントラクト攻撃:スマートコントラクトのバグや脆弱性を悪用し、不正に資産を奪う攻撃。代表的な例として「Reentrancy Attack(再入攻撃)」がある。
  • コールドウォレット:インターネットから完全に切り離された仮想通貨の保管方法。ハードウェアウォレットや紙のウォレットが該当し、高いセキュリティを誇る。
  • ホットウォレット:インターネットに接続されている仮想通貨のウォレット。利便性が高いが、ハッキングのリスクも伴う。
  • マルチシグ(Multi-Signature):取引の承認に複数の秘密鍵を必要とするセキュリティ機能。企業やDAOなど、複数人で管理する場合に用いられる。

新しいトレンド関連の用語

  • RWA(Real World Assets):実世界の資産(不動産、株式、金など)をトークン化し、ブロックチェーン上で取引可能にするコンセプト。
  • ソウルバウンドトークン(SBT:Soulbound Token):譲渡不可のNFT。個人の実績や証明書などの用途に利用されることが期待されている。
  • ステーブルコイン(Stablecoin):法定通貨や資産に価値が連動する暗号資産。価格の安定性を目的とし、Tether(USDT)やUSD Coin(USDC)などが代表例。
  • CBDC(中央銀行デジタル通貨):各国の中央銀行が発行するデジタル通貨。ブロックチェーン技術を活用するケースもある。
  • GameFi(ゲーム+DeFi):ゲームのプレイを通じて仮想通貨やNFTを獲得できる仕組み。Play-to-Earn(P2E)モデルが代表的。
  • SocialFi(ソーシャル+DeFi):SNSやクリエイターエコノミーと分散型金融を組み合わせた新しいプラットフォーム。クリエイターが直接収益を得る仕組みを提供する。
  • ミームコイン(Meme Coin):特定の文化やジョークをテーマにした暗号資産。Dogecoin(DOGE)やShiba Inu(SHIB)が代表的。

経済・市場分析関連

  • インペルマネント・ロス(Impermanent Loss):流動性プールに資産を提供する際、価格変動によって発生する一時的な損失。特にAMM(自動マーケットメーカー)を採用するDEXにおいて発生しやすい。
  • トークノミクス(Tokenomics):トークンの供給量、配布方法、経済的なインセンティブを分析することで、プロジェクトの持続可能性を評価する手法。
  • セルウォール(Sell Wall):オーダーブックに大量の売り注文が並び、価格の上昇を抑える状況。市場操作として利用されることもある。
  • バイウォール(Buy Wall):オーダーブックに大量の買い注文が並び、価格の下落を防ぐ状況。投資家が市場に対する強気な姿勢を示している可能性がある。
  • リバランス(Rebalancing):ポートフォリオのリスクを調整するために、一定期間ごとに資産の割合を変更する戦略。
  • フラクショナル・オーナーシップ(Fractional Ownership):NFTや実物資産を小口化し、多くの投資家が少額で所有権を持てるようにする仕組み。

取引・投資手法

  • スキャルピング(Scalping):短時間の価格変動を利用して小さな利益を積み重ねる取引手法。
  • デイトレード(Day Trading):1日のうちに売買を完了させる短期取引戦略。仮想通貨市場の高いボラティリティを活用する。
  • スイングトレード(Swing Trading):数日から数週間にわたる価格変動を狙う取引手法。
  • レンディング(Lending):保有する仮想通貨を他者に貸し出し、利息を得る投資方法。CeFi(中央集権型金融)とDeFi(分散型金融)の両方で提供されている。
  • ショートスクイーズ(Short Squeeze):大量のショート(空売り)ポジションが清算され、価格が急騰する現象。
  • マージントレード(Margin Trading):借入金を利用して取引を行い、レバレッジをかけることで利益(または損失)を増幅させる取引手法。
  • オプショントレード(Options Trading):特定の価格で資産を売買する権利を取引する手法。ヘッジ戦略としても利用される。
  • ペアトレード(Pair Trading):相関関係のある2つの資産を同時に売買し、市場リスクを抑えながら利益を狙う取引戦略。

プロジェクト・ブロックチェーン関連

  • レイヤー3(L3):レイヤー2の上に構築される更なるスケーリングソリューション。特定の用途(DeFi、ゲーム、データ処理など)に特化したブロックチェーンがこれに該当。
  • クロスチェーン(Cross-Chain):異なるブロックチェーン同士で相互運用を可能にする技術。代表例としてPolkadotやCosmosがある。
  • インターオペラビリティ(Interoperability):異なるブロックチェーンが互換性を持ち、資産やデータを自由にやり取りできる仕組み。
  • シャードチェーン(Shard Chain):シャーディング技術を活用し、ブロックチェーンの処理能力を向上させるための並行処理可能なチェーン。
  • ロールアップチェーン(Rollup Chain):ロールアップ技術を活用し、取引データを圧縮して処理することで、ブロックチェーンのスケーラビリティを向上させるチェーン。
  • リレーネットワーク(Relay Network):異なるブロックチェーン間で取引データを中継するためのネットワーク。クロスチェーン取引を実現するために活用される。
  • スマートコントラクトウォレット:秘密鍵を持たず、スマートコントラクトを利用して資産管理を行うウォレット。アクセス制御やマルチシグ機能を備えていることが多い。

セキュリティ・プライバシー

  • プライバシーコイン(Privacy Coin):取引の匿名性を重視した暗号資産。Monero(XMR)、Zcash(ZEC)、Dash(DASH)などが代表的。
  • ゼロ知識証明(Zero-Knowledge Proof, ZKP):取引内容を開示せずに、正当性を証明する暗号技術。プライバシーコインやZK-Rollupsで活用されている。
  • ミキシングサービス(Mixing Service):仮想通貨の送金履歴を隠すために、複数の取引を混ぜて匿名性を向上させるサービス。
  • リプレイ攻撃(Replay Attack):異なるブロックチェーンにおいて、同じ署名のトランザクションを再送信し、資産を二重に盗む攻撃手法。
  • 51%攻撃対策:PoWブロックチェーンで、過半数の計算能力を持つ攻撃者による不正を防ぐために、チェックポイントやハイブリッドコンセンサスを導入する方法。

未来のトレンド

  • AI×ブロックチェーン:人工知能(AI)とブロックチェーンを組み合わせ、データの改ざん防止、透明性の向上、自律的なスマートコントラクトの実行を実現する技術。
  • 量子耐性ブロックチェーン:量子コンピュータの進化により、現在の暗号技術が破られる可能性を考慮し、耐量子暗号技術を導入したブロックチェーン。
  • NFTレンタル(NFT Rental):NFTを所有者が一時的に貸し出し、借りたユーザーがゲームやメタバース内で使用できるようにする仕組み。
  • NFTファイナンス(NFTFi):NFTを担保に資金を借りたり、分割所有できるようにする新しい金融サービス。
  • DAA(Decentralized Autonomous Agent):DAOの概念をさらに進め、AIエージェントが自律的に意思決定を行い、ブロックチェーン上で活動するシステム。
  • データDAO(Data DAO):データの所有権を分散管理し、参加者がデータを共同で管理・利用できる組織。
  • フィアット・オンランプ(Fiat On-Ramp):法定通貨(円、ドルなど)を仮想通貨に変換できる仕組み。取引所やDeFiプラットフォームが提供する。
  • ソーシャルトークン(Social Token):クリエイターやインフルエンサーが発行し、ファンとの交流や経済圏を構築するためのトークン。