Liquid Networkは、Blockstreamが開発したビットコインのサイドチェーン技術。高速かつ安価なトランザクション、プライバシー保護、資産発行の柔軟性などを実現し、主に取引所・OTCディスク・金融機関などのプロフェッショナルユースを想定している。
1. 仕組みと特徴
- サイドチェーンとしての設計
ビットコインメインチェーン(L1)からBTCをL-BTC(Liquid BTC)としてLock & Pegすることで、Liquid Network上でBTCと等価の資産として扱える。
ユーザーはBTCを「ペグイン(Peg-in)」してL-BTCを取得し、必要に応じて「ペグアウト(Peg-out)」でBTCに戻すことができる。 - 連署型ブロック生成(Federated Consensus)
LiquidはPoW(Proof of Work)を使わず、**連署型のブロック生成(Strong Federation)**を採用。機関が参加する「フェデレーションノード」がブロック生成と検証を行い、約1分ごとに新しいブロックが生成される。 - Confidential Transactions(CT)
トランザクション額や資産の種類を暗号化し、プライバシー保護を実現。ビジネス用途において、価格や数量などの機密情報を保護できる。 - 発行可能資産(Issuable Assets)
L-BTCだけでなく、Liquid上ではトークン(例:証券トークン、ステーブルコイン)など多様な資産を発行可能。ユースケースとして、証券のデジタル化やUSDT(テザー)の発行などがある。 - 高速なファイナリティ
Liquidでは約2分で**ブロックのファイナリティ(確定性)**が得られるため、取引所間のアービトラージや大口送金に適している。
2. 利用例と提携プロジェクト
- USDT(テザー)
イーサリアムやTronなどと並び、Liquid上でもUSDTが発行されている。取引所間の決済やアービトラージに利用されている。 - SideSwap / TDEX
Liquid Network上での**分散型取引所(DEX)**プロジェクト。CT(Confidential Transactions)とペアで利用することで、匿名性を保ったP2Pスワップが可能。 - Blockstream Green Wallet
モバイル・デスクトップ対応の公式ウォレット。Liquid資産を送受信・管理可能。複数署名やPINコードなどのセキュリティ機能あり。 - Blockstream AMP
証券やカーボンクレジットなどの資産発行と管理プラットフォーム。Liquid上での資産発行のインフラとして提供。
3. 技術的利点と課題
- 利点
- トランザクションの高速化と低コスト化
- セミプライベートなトランザクション(Confidential)
- BTCと1:1で連動したL-BTCによるスムーズな資金移動
- 検閲耐性:Blockstream Satelliteと連携すればオフライン送信も可能
- 課題
- フルパーミッション型のフェデレーション構造に対する中央集権的という批判
- 一般ユーザーやDeFi文脈では普及が限定的
- ペグイン/ペグアウトには時間と手数料がかかる
4. 関連キーワード
- Blockstream
- L-BTC(Liquid BTC)
- Strong Federation(連署型合意)
- Peg-in / Peg-out
- Confidential Transactions(CT)
- SideSwap / TDEX
- USDT(Liquid版)
- Green Wallet
- AMP(Asset Management Platform)
- ビットコインサイドチェーン