Monero(モネロ)とは

Monero(モネロ、通貨単位:XMR)は、2014年に登場したプライバシー重視の仮想通貨で、ユーザーの匿名性と取引の秘匿性を確保するための高度な技術を採用しています。その設計思想は、金融取引のプライバシー保護を最優先とし、他の多くの仮想通貨とは一線を画しています


主な特徴と技術

Moneroは、以下の3つの主要技術により、送金者・受取人・取引金額のすべてを非公開にします

  • リング署名(Ring Signatures):送金者の署名を他の複数の署名と混ぜることで、実際の送金者を特定できなくします。
  • ステルスアドレス(Stealth Addresses):受取人ごとに一時的なアドレスを生成し、取引の受取先を第三者から隠します
  • リングCT(Ring Confidential Transactions):取引金額を暗号化し、公開台帳上でも金額が見えないようにします

これらの技術により、Moneroは「送金者・受取人・金額」のすべてを秘匿する、完全な匿名性を実現しています。


マイニングとネットワーク

  • アルゴリズム:Moneroは「RandomX」というPoW(プルーフ・オブ・ワーク)アルゴリズムを採用し、ASIC耐性を持たせることで、一般的なCPUやGPUでも効率的にマイニングが可能です。
  • 供給量:最大供給量の上限はなく、現在の循環供給量は約1,844万XMRです

現在の価格と市場状況(2025年5月時点)

  • 価格:1XMRあたり約336ドル(約5万円)で取引されています
  • 時価総額:約62億ドルで、仮想通貨市場全体で上位に位置しています。
  • 取引所:HTX、KuCoin、WhiteBITなどの取引所で活発に取引されています

規制とリスク

Moneroの高い匿名性は、プライバシー保護の観点から支持される一方で、マネーロンダリングやダークウェブでの違法取引に悪用されるリスクも指摘されています。そのため、以下のような規制動向があります。

  • 取引所での上場廃止:BinanceやKrakenなどの主要取引所が、規制強化の影響でMoneroの上場を廃止しています。
  • 法的規制:一部の国では、Moneroの使用や取引が制限または禁止されています。

Moneroの将来性

Moneroは、金融取引のプライバシーを重視するユーザーにとって、引き続き重要な選択肢となっています。しかし、規制の強化や取引所での上場廃止など、流動性やアクセス性の面での課題も存在します。今後の展開としては、以下の点が注目されます。

  • 技術的進化:新たな匿名性強化技術の導入や、ネットワークの改善が期待されています。
  • 規制対応:各国の規制動向に応じた対応策や、合法的な利用方法の模索が進められる可能性があります。