Gitcoin(ギットコイン)は、オープンソースプロジェクトや公共財(パブリックグッズ)を支援するためのWeb3プラットフォームです。主に開発者が貢献することで報酬を得られる「バウンティ」や、コミュニティによる資金調達を行う「グラント(助成金)」機能があり、分散型自律組織(DAO)として運営されています。
特に注目されるのは、Quadratic Funding(二次資金調達)という、コミュニティの関与を重視した資金配分モデルを採用している点です。Gitcoinは、ブロックチェーンを活用して持続可能なオープンソース経済を支える先駆的な存在です。
詳しい解説
1. 設立とビジョン
Gitcoinは2017年に設立され、主にオープンソースソフトウェアと公共財の支援を目的に活動しています。開発者やデザイナー、研究者などがプロジェクトに貢献することで報酬を得られる、分散型の資金支援インフラとして構築されました。
スローガンは「Build and Fund the Open Web Together(ともにオープンなWebを構築し、資金提供しよう)」。
2. 主な機能と仕組み
● バウンティ(Bounties)
プロジェクトが提示するタスク(例:バグ修正、機能開発など)に開発者が取り組むことで報酬を得る仕組み。タスクはスマートコントラクトで管理され、報酬は暗号資産で支払われることが多いです。
● グラント(Grants)
寄付によってプロジェクトを支援する仕組み。誰でもプロジェクトを立ち上げ、コミュニティから支援を募ることができます。助成金ラウンド(Gitcoin Grants)では、一定期間中に多数のプロジェクトが資金提供を受けます。
● クアドラティック・ファンディング(Quadratic Funding)
寄付者の「数」と「金額」の両方を加味する、革新的な資金配分モデル。たとえば、少額でも多くの人が支援しているプロジェクトほど、追加のマッチング資金(助成金)を多く受け取れるようになっています。これにより、コミュニティの支持が広いプロジェクトが優先されやすくなります。
3. Gitcoin Passport
Gitcoin Passportは、ユーザーのWeb2・Web3アカウントを統合し、身元の一貫性や信頼性を可視化する分散型ID検証ツールです。これにより、シビル攻撃(複数アカウントを使った不正行為)への耐性を高めています。
ユーザーは自分のSNSやウォレット履歴などを登録して、信頼スコア(信用度)を高めることができ、より多くの機能や支援を受けられるようになります。
4. Gitcoin DAOとGTCトークン
Gitcoinは現在、Gitcoin DAOという分散型自律組織として運営されています。ガバナンストークン「GTC(Gitcoin Token)」を通じて、コミュニティがGitcoinの未来に関する意思決定を行っています。
たとえば、助成金ラウンドのルール変更や、新しいプロダクトの導入提案なども、GTC保有者の投票によって決まります。
5. 実績と影響力
Gitcoinは、これまでに5,600万ドル以上をオープンソースプロジェクトに分配しており、特にEthereum関連のインフラ支援において大きな存在感を放っています。
支援を受けたプロジェクトには、Layer2開発、ウォレットインフラ、教育コンテンツなど、Web3の発展に寄与するものが数多く含まれています。
6. 今後の展望
Gitcoinは今後、「グラント3.0」と呼ばれるプロジェクト群を中心に、より分散化された助成金プロトコルへと進化する計画を持っています。これにより、個別コミュニティや組織が独自の助成金プログラムを持ちつつも、Gitcoinのインフラを活用できるようになるとされています。
また、パスポートやID認証技術を使った信頼性スコアリングの導入も進行中で、よりパーソナライズされた資金配分が可能になると期待されています。
Gitcoinの本質とは?
Gitcoinは、単なる資金調達プラットフォームではなく、「公共財を守る経済設計の実験場」です。ブロックチェーンや分散型技術を用いて、協調や支援が自然と起こるエコシステムの構築を目指しています。
その背景には、「オープンソースという現代の公共財は、もっと持続可能な形で支援されるべきだ」という思想があります。Gitcoinは、その思想を技術とコミュニティの力で現実にしようとしているのです。