なぜブロックチェーンでは一貫した台帳が維持されるのか

ブロックチェーンというと、「みんなが同じ台帳を持っている」「改ざんされにくい」という特徴がよく語られます。
でも、なぜそんなことが可能なのか。そもそも、中央管理者もいない分散ネットワークで「みんなが同じデータを共有し続ける」って、よく考えるとすごい仕組みですよね。
この記事では、その理由をかみ砕いて解説していきます。


鍵を握る「コンセンサス」

一貫した台帳を保つためのポイントは、ネットワーク全体で「どのデータが正しいか」を合意する仕組みにあります。
この合意形成を担っているのが「コンセンサスアルゴリズム」と呼ばれるルールです。
代表的なのが以下の2つです。

① Proof of Work(PoW)

ビットコインが採用している仕組みで、マイナーと呼ばれる参加者が計算競争をして、新しいブロックを作る権利を争います。
最も多くの計算パワーが使われた「最長チェーン」が正しいものとみなされるため、ネットワーク全体で一貫した台帳が保たれます。
多くの人が同じルールに従っているからこそ、「勝手に自分用のデータ」を作っても無視されるわけです。

② Proof of Stake(PoS)

イーサリアムが採用しているPoSでは、コイン(ETH)をステーキングしている人の中から、ランダムでブロック作成者が選ばれます。
PoWほどの計算競争はありませんが、「ステークした人同士が正しいデータに合意する」という仕組みがあるため、ここでも一貫した台帳が維持されます。


不正を防ぐ「チェーンのルール」

コンセンサスアルゴリズムだけではなく、ブロックチェーンそのものが「不正を許さない仕組み」で設計されています。
具体的には以下のようなポイントがあります。

◉ ブロック同士が鎖のようにつながっている

各ブロックには「1つ前のブロックのデータ」が組み込まれているので、1カ所を改ざんしようとすると、その後のすべてのブロックを作り直す必要があります。
これは現実的には非常に難しく、全ノードが監視しているので不正がすぐバレます。

◉ 大多数が同じデータを保持

どんなに一部のノードが勝手なデータを書き込んでも、「多数派が支持するデータ」以外は無効になります。
この「多数決で真実を決める」仕組みがあるから、みんな同じデータを保持し続けることができるわけです。


一貫した台帳は「みんなで守る」

要するに、ブロックチェーンの一貫性は「全員が同じルールを守る」「全員が同じデータをチェックし合う」という分散型の強みによって実現されています。
これが中央管理者がいなくても、改ざんや分裂が起こりにくい理由です。

「ブロックチェーン=信頼のインフラ」と言われる背景には、こうした仕組みがしっかり根付いているからなんですね。


まとめ

  • 一貫した台帳が維持されるのは「コンセンサス(合意形成)」のおかげ
  • ブロックチェーン自体が改ざんを防ぐ仕組みを持っている
  • みんなが同じルールを守るからこそ「信頼できる一つの台帳」が作られる

単なるデータの記録システムではなく、「仕組みそのもの」が信頼性を担保する――
これがブロックチェーンの最大の魅力です。